自然とつながるひと口

私たちが日々口にする食べ物は、山や川や海、土や風と静かにつながっています。日常の忙しさから、忘れがちな、山の空気や川のせせらぎ、鳥のさえずり、そういう情景を農産物から思い出していただけるかもという思いから、農薬・化学肥料を使用せず、作物を栽培しています。、静かな山、水、そよぐ風、土の香り…。それらの恵みだけで育った作物を口にしたとき、食べる人の心に小さな変化が生まれるかもしれないと思います。健康と環境は切り離せず、私たちはいつも自然から大きい恩恵を受けています。ひと口食べるたび、目の前には見えない景色が浮かび、体と心がほっとしてくる。一口のそんな瞬間を想像するのが嬉しくて、自然に寄り添いながら作物を育て、運んでいます。

一口が、日常の中で自然を感じるきっかけになって、未来の地球や生きものたちへの想いに繋がる。そんな小さな気づきが、やさしい循環を生み出してくれるといいなぁ。

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豊かさ

私たちは、経済や効率化を追い求め、実際に一番恩恵を受け感謝しなければいけない自然に目を向けることをつい忘れがちです。日本は土地の面積の70%近くが山間部です。高齢化が進み、耕作放棄地が増え、かつては動物たちが静かに生息していた場所に、人間達がずかずかとわけ入り巨大なメガソーラーや風力発電を建設しだしています。利益は都市部にいるわずかな人達のものです。その結果、生態系が壊れはじめ、動物たちが餌を求めて降りてきて、田畑を荒らす被害も増えています。豊かな山の水資源も侵されはじめると、海へ流れる養分も減り、海産物にも影響が出ています。自然を無視した流れは、気候も変え、やがて私たちの食料問題に繋がるでしょう。豊かな山環境で育った農産物を食べる経験は、自分たちの環境への思いを生み、ゆるやかに意識が変わっていき、日常の選択や、心のあり方につながると思います。

”豊か”ということは、自分の中にあり、それを感じることは、他社にも豊かさを伝え、広めることができます。”豊か”ということは、足ることを知り、自然の恩恵に感謝し、他の動植物と共生し、分かち合うことができることです。山の自然の中からこのちょっとしたきっかけの豊かさが、都市部へ、世界へとゆっくり伝達していくことを想像するとわくわくしてきます。

 

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